普通の生活での汚れは大家負担でクリーニング

普通の生活における原状回復費は家賃に含まれる

退去時によく起こるトラブルは、原状回復に関わる費用の負担です。

フローリングに細かい傷が付く、冷蔵庫の後ろの壁が熱で黒くなるなど、普通の生活をしていても起こる事が想定される汚れに対して、退去時のクリーニング代・修理代は原則貸主負担です。

これは、最高裁判所の判例としても原状回復に関する模範が得られます。
貸主が負担すると言っても、それは、大家さんが個人的な費用として出すのではありません。

裁判所の判例では、「原状回復の補修費用は、家賃に既に含まれている。」という結論に至ります。つまり、敷金から差し引かれてクリーニング代を払う必要は無いのです。

このように決められているにも関わらず、未だに原状回復費を敷金から差し引く慣習が根強く残っています。

こうした判例にも関わらず残っているという事は、何も知識がなければ、それだけ費用の負担が増えてしまうということになります。

この情報が事実であるということを確認する為に、国土交通省の「敷金返還トラブルに関するガイドライン」にて詳細を確認してみてください。

参考:国土交通省-敷金返還トラブルに関するガイドライン
URL:http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun.pdf

■11ページより引用
建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。

■12ページより引用
標準契約書では、建物の損耗等を次の2 つに区分している。
① 賃借人の通常の使用により生ずる損耗
② 賃借人の通常の使用により生ずる損耗以外の損耗
これらについて、標準契約書は、①については賃借人は原状回復義務がないと定め、②については賃借人に原状回復義務があると定めている。

国土交通省のガイドラインにも通常使用による劣化などの回復の為のクリーニング代は、家賃に含ませるものとして、敷金を用いて回収するものでは無いということが明確に記されているのです。

原状回復とは、借りる前(クリーニング済み)の状態に戻すということではなく、壁に穴を開けてしまったり、窓ガラスにひびを入れてしまったというような事です。

つまり、破損箇所がなければ、原状回復費は発生しないということです。

これは退去時の敷金トラブルをなくす為にも必要な事ですので、よく理解しておくようにしてください。特にその金額が大きい場合は、しっかりと確認しておくことで、よりスムーズな退去に繋がります。

ただし、故意であろうが偶然であろうが、部屋の価値を下げるような目立つ傷が付いている場合は、原状回復の対象となります。
これらの責任を明確にすることも、賃借人と貸借人がお互いに気持ちよく契約する為にも必要な事ではないでしょうか。